防水工事

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防水工事

家のバルコニーやベランダなどの防水は、塗装の職人が行うことは少なくありませんが、厳密にいえば防水工事は塗装職人の仕事ではありません。

本来は塗装は塗装職人、防水は防水職人が行います。
防水職人でなければできない工事は、マンションやビルなどの大規模などの屋上防水などの改修工事です。

ベランダなど住宅の塗り替え時に行うことが多い防水工事は主にウレタン防水です。
プライマー(接着剤)を塗布して、ウレタンゴムを流して、仕上げは紫外線でウレタンゴムが劣化しないようにトップコートというものを最後に塗ります。

ゴムチップなどの粒を材料に入れて微妙な凹凸感を出して、滑りにくくする仕様もあります。
シート防水、FRP防水、アスファルト防水など様々な種類の施工方法もありますが、それは住宅の塗り替えというより、マンション等で行う工事になる場合が多くなります。

バルコニー・ベランダの防水

ここでは一戸建てに多い防水工事の説明をしていきます。
一般の家に一番多いのが、床が保護モルタルの仕様です。

防水層の上に歩行可能なようにモルタルを敷いているのですが、そのモルタルにひびか生じていることがあります。

モルタル下には防水層があるので、ひびか生じてもすぐに雨漏りするということは少ないですが、劣化の原因となるため外壁塗装と一緒にウレタン防水をしてもらいます。

ウレタン密着工法

価格的にも手頃で一番簡単な施工方法です。
一戸建てに一番多い施工方法といえます。

プライマー→ウレタン1層目→ウレタン2層目→トップコート

通常はほとんどこの施工で完了できます。
密着工法は塗装の職人でも行うこともあります。

クロス工法

密着工法の行程の中に、メッシュ状のガラス繊維のクロスシートを入れることによって、ウレタンのひび割れを防ぐ効果を強めた工法です。

プライマー→ウレタン1層目→メッシュクロス→ウレタン2層目→トップコート

ひび割れが激しい場所に安心な施工方法ですが、技術が必要なため防水職人による施工になるでしょう。

通気緩衝工法

クロス工法に、シート類を敷く行程がさらに増えた工法です。
ウレタンを流す前に、自着シートやパンチシートなどのシートを敷きこみます。

激しいクラックやモルタルの劣化などの下地の状況が劣悪の場合でも、このシートを間に敷くことによってウレタンへの悪影響を遮断させるために使用します。

さらに下地から上ってくる湿気を脱気筒で逃がし、ウレタン等の浮きなどを防止します。

通気緩衝工法の場合、ベランダやバルコニーなどの面積が小さい場所に施工されることは少なくマンションの屋上などではよく施工されています。

ちなみにどの工法もクラックが激しい、凸凹のため水はけが悪いなどの状況があれば、その処理のための「下地処理」や「下地調整」などを行います。

住宅における防水の注意点

一戸建てのベランダやバルコニーなどの場合は、洗濯ものを干す場所でもあります。さらに植木鉢や物などがある場合、施工しやすいように片づけておくと、職人も作業しやすいでしょう。

またエアコンの室外機は間違いなく設置してあるので、一時的に上げて隅々まできちんと施工してもらうためにもベランダ内は整理しておきます。

屋上

ALC(発泡コンクリート)住宅や鉄筋コンクリート住宅の場合は、屋上防水がメインとなる場合もあります。

今現在の既存の劣化状況や防水方法によって施工方法も変わりますが、屋上防水ほどの大きさになると、ウレタン防水以外の種類にもシート防水が加わります。
シート防水にも、ゴムシートや塩ビシートがあります。

ウレタン防水との使い分けは、ウレタン防水は継ぎ目が出ない施工方法のため、一般的には屋上の防水面の凸凹がある場所に適しているといわれていて、シート防水は継ぎ目ができるためできるだけ平面の場所に適しているといわれています。

ほかにも、FRPやアスファルト防水もありますが、一戸建ての場合はあまり一般的とは言えないでしょう。

防水工事は塗装工事後でもできる

防水工事は、基本足場がなくても施工可能です。
もちろん材料の荷揚げなど足場があったほうが職人にとっては作業が断然しやすいということ言えます。

何かと外壁塗装と一緒に工事を済ませた方が、住人にとっては世話がなくいいですが、足場が不要な分外壁塗装とあわせて工事をしなくてもいつでもできる工事といえます。

雨漏りの処置

防水業者に比べてると、それほど塗装業者は雨漏りを止めることを得意としていません。

防水職人が入る必要のない塗装工事の場合、雨漏りの原因がわかっている時や予測できる場所は、コーキングなどでの処置をして雨漏りをなくすことは塗装業者の仕事の内ですが、雨漏りの場所が特定できないときは、より家の構造体に詳しい、防水業者や板金業者のほうが適しています。