コラム:塗装業者ってどうやって選べばいいの?(Q&A)

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塗装業者ってどうやって選べばいいの?(Q&A)

優良業者の判断基準は?

うちの壁に最近苔とかカビが生えてきて、すごく見た目が汚くなってきてしまったんです。そろそろ塗装時期ですか?


塗装工事は、悪徳業者につけこまれて、手抜き工事をされたりなんていうこともyり得る工事。

こんな風に、塗装を依頼したいごく普通の主婦の吉田さん。
家の壁の塗り替えを考えたのは、マイホームを建ててから初めてのようです。

ご質問ありがとうございます。そうですね。状況にもよりますが、塗装時期であるかもしれませんね。

「そうなんですか。それって、一度塗装会社の方に見に来てもらえば良いですか?

このようなまったく塗装についての知識のない状態では、先行きが心配です。

「えっ、先行きが心配って、どうしてですか?

塗装工事は、吉田さんもそうであるように、どんな内容の工事なのか世間ではあまり知られていません。
そこで、悪徳業者につけこまれて、本当は必要のない工事をするよう勧められて高いお金を請求されたり、薄めたペンキで塗られる手抜き工事をされたりなんていうこともあり得るんです。

良い塗装会社ってどんな塗装会社?


塗装工事の場合、工事内容の質がわかるのは、工事から数年後。

「それは恐ろしいですね。私、きっとだまされてしまいますよ。どうすれば良い塗装会社さんに出会えるのでしょうか?

そうですね、一言で良い塗装会社と言っても、色々ありますよね。吉田さんは、どういう塗装会社が良い塗装会社だと思いますか?

「う~ん、そうですね、ちゃんとお客さんの希望を聞いてくれて、適当な手抜き工事をしない会社ですかね

吉田さん、いいところをつきますね。そうなんです。
意外と、安い料金で工事を請け負って、手抜きと呼んでもおかしくないような工事をする塗装会社が中には存在するのです。

どんどん契約を取りたいものだから、できるだけ工事費を安くするんですね。
そうするとお客さんがたくさん寄ってきます。
けれど、実際は少ない予算で塗装工事を行わなくてはならないので、実際は手抜き工事と呼ばれてもおかしくないような実状であることもあるようなんです。

へえ~そうなんですか!びっくりです。そんな手抜き工事をして、お客さんからクレームが来ないのですか?

もちろん、クレームが来ないように慎重に対応しているのでしょう。

そもそも他のリフォームと違って、塗装の場合は見た目ではまったく質の判断はできませんからね。

それがわかるの数年後です。

手抜き工事をしない良い塗装会社を選ぶには?
~2種類の塗装会社の存在を知る


塗装会社には、2つのタイプの会社が存在する。

「そういう、手抜きの工事をしない塗装会社を選ぶには、どんなところに気を付ければいいんでしょうか?

それは、やはりむずかしい問題です。
しかし、塗装会社には2種類あるということは言えます。

それは...
「契約をする会社」「工事をする会社」の2つです。

「契約をする会社」は、お客さんから塗装工事の契約を取ってきて、下請けの職人のいる塗装会社に塗装工事を委託します。
一方、「工事をする会社」は、そういう「契約する会社」から仕事をもらって、実際に塗装工事を行う会社になります。

この2つの大きな違いは、工事をする会社には、塗装職人さんたちがいますが、契約する会社には営業マンしかいないことが多いということです。

その2つの塗装会社と、手抜き工事とはどういう関係があるのですか?

そうですね。実は、契約する会社が取ってきた塗装工事は、できるだけ安く、工事をする会社へ工事依頼を出します。契約する会社は、当然できるだけ自分たちの取り分を増やしたいからです。そこで工事をする会社は、少ない予算での塗装工事をしなくてはならなくなります。なんとか予算内で工事を終わらせるために、手抜き工事というものが発生してしまうようなのです。

「工事をする会社」を見つけるには?


会社の代表者が一級塗装技能士の会社。

「では、直接工事をする会社へ塗装工事を依頼すれば、予算が少なくなることはないのでしょうか?

直接、工事をする職人さんのいる会社へ依頼すれば、契約する会社が取る利益分を考える必要がなくなりますから、充分に予算のある塗装工事ができることは確かです。
しかし、そこには問題があるんです。吉田さん、その問題とは何だか分かりますか?

「う~ん、なんでしょう。私もお願いするなら、その工事をする会社に依頼したいですが、どうやって見つければいいか分からないです。

そうなんです。吉田さん、いいところを突きますね。

工事をする会社は、営業の上手なバリバリの営業マンのいる契約する会社とは違って、職人さんばかりで、そういう営業力みたいなものがほとんどありません。
ですから、仕事を取ってこようとしてもなかなか取れないですし、お客さんへのアピール力も弱いので、なかなかお客さんからも見つけられないんです。
そこが、工事をする優良会社を見つける一番のむずかしさなんです。

なるほど・・・。こちらから、そういう優良塗装会社を見分ける基準って何かないんでしょうか?

そうですね、強いて言うならば、一級塗装技能士という資格を、その会社の代表者が持っているかどうかでしょうか。注意すべきなのは、これは職人さんが持っているだけではだめで、その塗装会社の社長さんが持っているかどうかなんです。

つまり、社長さん自らがバリバリの塗装職人で、ペンキまみれになって働いていたり現場に精通しているかどうか。それが大事なんです。

そんな資格があるんですね!でも、それって、作業着を着ていれば分かるのではないですか?

それが、お客さんから信頼を得たり、イメージを良くするために、最近では営業マンでも、ペンキまみれの作業着を着ていることがあるんですよ。

そうなんですか!それでは見分けがつきませんね

そうですね。
やはり、契約する前にはその塗装会社に実際に行って、一級塗装技能士の資格証を探すとか、塗装工事に必要な道具が置かれているかどうかなどを見れば実際に工事をしている証なので、それが一番早い確認方法だと思います。

「分かりました。ぜひそうやって探してみます!」

塗装の資格で見極める!

ところで「塗装技能士」という資格をご存知ですか?


塗装業は、何の資格を持たなくても、素人でも開業できてしまう。

「いいえ、初めて聞きました。いったい、どんな資格なんですか?

はい、この「塗装技能士」とは、文字通り、塗装の国家資格です。
塗装は塗装でも、木工塗装作業、建築塗装作業、金属塗装作業、噴霧塗装作業、鋼橋塗装作業に分かれており、それぞれに一級、二級があるんですよ。

塗装業界では、資格と呼ばれるものが多くありますが、この国家資格である一級塗装技能士が、技術、経験において一番と言われているんです。

それは長年現場で、一生懸命働いてきたという証明になります。

「へえ、そうなんですね!では、その「一級塗装技能士」の他に、塗装の資格ってあるってことですか?

はい、あります。
そもそも、色んな業者さんが独自でつけた「塗装○○技師」や「塗装○○者」という名のものも、資格と言えば資格と言いますね。
ただ、国や都道府県から認可されているのは、「塗装技能士」だけです。

ではここで、外壁塗装について国や都道府県から認可されている資格をまとめてみます。

①一級塗装技能士

国家資格であり、厚生労働大臣が認定している資格。

7年(※)の実務経験を積むか、もしくは二級塗装技能士になって5年たつと、この一級塗装技能士の国家試験を受けられるようになる。(※平成10年から「最近7年」に改定)

②二級塗装技能士

都道府県知事が認定している資格。
取得するには、職業訓練校に数年通う方法と、5年の実務経験を積むと、試験を受けられるようになる。

③職業訓練指導員

資格ではなく免許。
ランクとしては一級塗装技能士の上の免許。
一級塗装技能士でなければ、受験資格がない。

まあ、分かりやすいわ。この中でも、職業訓練指導員を持っている人が会社の社長さんなら、なおいいってことですね!

そうですね。
それが良いに越したことはありません。

また、個人だけでなく、会社に与えられているものもあります。
吉田さんは、「神奈川県知事許可(般-19)第67357号」のような表記を見たことはありませんか?

あります!それって、何なのですか?

これは、「塗装工事業」という都道府県の知事が許可している証で、会社組織として10年の工事実績が証明されなければ許可が下りないものなんです。

つまり、その塗装工事業の認可があるってことは、工事実績があるってことですかね?

そう判断できますね。つまり、先ほど申し上げた、「工事する会社」を見分ける一つの判断基準にもなるでしょう。実際、塗装業は、何の資格を持たなくても、素人でも開業できてしまうので、このような国家資格があるということはまともな業者を選ぶ際にもっとも大事であると言えますね。

「なるほど~。それじゃ、一級塗装技能士に職業訓練指導員を持った社長さんのいる、塗装工事業の許可の下りている塗装会社であれば、完璧ってことですね!」

自宅契約の危険性

私、ちゃんとした職人さんが経営する塗装会社さんに、わが家の壁の塗装をお願いしたいのですが、やっぱり実際にその会社さんに足を運んだほうが良いですか?


塗装は専門性が高いので、見積書を見てもよくわからないことが多い。

そうですね。もし工事をする業者に頼みたいのであれば、実際に訪れてみるのがベストでしょう。

特に塗装は専門性が高いので、見積書を見てもよくわからないことが多いため、担当者の人間性で決めてしまうこともよくあります。

結果的にその判断で残念な思いをしている人は少なくないので、それよりは是非、実際に塗装会社を訪れてみましょう。そうすれば、ペンキの匂いがぷんぷんするような塗料材料や道具などの置き場があるかどうかや、社長さん自らが塗装技能士の資格を持っているか、また塗装業の県知事許認可などの認定証が貼られているかどうかなどをチェックできますね。また、会社が創業してから10年以上は経っている業者が良いでしょう。

また、見積もりを出してもらう際には、実際の工事の現場には何人の人が受け持ち、工事には何日かかるのかをきちんと確認しておく必要がありますよ。

分かりました。実際に工事をお願いする会社を訪れたときには、気を付けて見てみます!

家に適した外壁塗装

家の外壁の塗り直しを考えているのですが、ちょっとひびが入っているところや腐って修理しなければならない場所があるので、それも一緒にお願いしたいのですが、それは可能なものなのでしょうか?


家の壁は、当然それぞれ傷みの度合いが違う。

そうですね、ほとんどの塗装業者は対応してくれます。

傷みがひどく、木部の補修やサイディングの目地シーリング(コーキング)交換なども行いたいという場合には、大工やシール業者を入れて工事をする必要も出てきます。
そうなると、それらの工事の分だけ工事日数がさらにプラスして必要になってくるので、ますます工事日数は長く取る必要があります。

そのような長い工事日数を要する工事の場合にも、10日間という短い工事日数で完了させようとすることも場合によってはあるようですね。

「工事日数が短ければ、やっぱり誰でも手抜きになってしまいますよね・・・

そうなんです。
いくら腕の良い職人さんでも、工事日数によって、その能力が発揮できないことも多いのです。

そうなんですか・・・。それは残念です。ところで、営業をする塗装会社ってどんな会社でしたっけ?

営業をする塗装会社。
それは営業メインの会社のことです。営業をメインで行い、下請けの業者に塗装工事を依頼している形態を取っている業者のことを、そう呼んでいます。いわゆるお客さんを引き寄せる術に長けた、営業力のある人たちが中心となっている塗装会社のことですね。

営業は営業の得意な会社が、塗装工事は職人さんのいる塗装工事専門の会社が受けもてば、バランスが取れるのではないですか?

それが、実際そう簡単にうまくはいかないものなんです。
というのも、下請けで工事をする業者は、仕事を取ってきてくれる営業する会社に頭が上がらず、決まった厳しい期間の中、少ない予算でなんとかその技術を発揮しなければならないという現実があるからです。

なるほど~・・・。では、壁の修復もちゃんと行ってもらうためには、どうすればいいのでしょうか?

そうですね、代表者が「一級塗装技能士」の資格を持っている、現場の工事に精通しているような業者であれば、塗装だけでなく、壁の修復についても相談に乗ってくれると思いますよ。

それは嬉しいです!そういう社長さんであれば、安心ですね

家の壁は、当然それぞれ傷みの度合いが違います。それぞれの傷みに対する重要性を理解してればいいのですが、営業メインの会社の社長さんは、塗装の知識は豊富なものの、長年の現場経験を持っていないことが多いので、やはり現場工事の知識の面で劣ってしまうようです。例えば、「こういう傷みの場合には、こう対応する」などの具体的な方法などです。

一方、工事をする会社の職人であれば、長年培った現場での経験から、傷みへの修復だけでなく、様々な壁の状況に応じた工事を臨機応変に行えることでしょう。

予算不足による手抜き工事を回避する!

塗装工事に手抜き工事があるって本当ですか?
また、手抜き工事ってどういうのがあるんですか?


手抜き工事の典型は、足りない予算が原因。

手抜き工事、残念ながら本当に存在するんです。同業者としてお恥ずかしい限りです。

手抜き工事の事例としては、重ね塗りに関しては通常、「下塗り、中塗り、上塗り」の3回行う必要があるのにも関わらず、重ね塗りをしない薄い塗装や、塗料の薄めすぎ、下地調整の不足、塗り分けなしのすべてに同じ塗料、間違った塗料の選択などがあります。また、このように十分に手をかけない塗装がされると、何年か経った後に、必ず何らかのトラブルが起こってきてしまいます。塗装が剥げてきた、すぐに光沢がなくなってきた、さびが出てきた、カビてきた、汚れがつきやすくなったなどです。

「それはひどいですね。一体、どういう人がそういう手抜き工事をするんですか?

そうですね、このような手抜き工事は、一体誰が行うのかと言えば、立派な職人が行うこともあるようですね。その理由は、下請けという現実的な予算面での理由が大きいようです。

つまり、十分な量の塗料が使えない、丁寧な作業をするだけの人件費が掛けられないといったシーンが、多く存在するようなのですね。

もちろん、下請け業者でなくとも、利益を確保するために躍起になった結果、作業内容を限定させてしまい、結果的に手抜き工事と呼ばれてもおかしくないような工事になってしまう塗装店もあることでしょう。

なぜ手抜き工事になってしまうほどまで、”予算が足りない”のですか?

はい。その、できる限り抑えた予算で工事をしなくてはならない理由の一つに、「中間マージン」の存在があります。芸能人を使うような業者、宣伝に大きな費用を掛けている業者、全国ネットワークなどの規模が大きい会社は、中間マージンを利益にしなければ、経営が成り立たないシステムになっています。

つまり、お客さんと契約して、お客さんから工事費としてもらったお金のうち、すべてを工事費として下請けの工事業者に渡していたのでは、契約する会社はまったく利益になりません。
そこで、お客さんからもらった金額から、自分の会社の利益分を差し引いてから、工事業者へ工事費として託すのです。

例えば分かりやすい例で言えば、有名な芸能人を会社のポスターに起用したとします。会社は当然、その芸能人に出演料を払わなければなりませんね。また、当然、そのポスターを制作した費用もまかなわなくてはなりません。

その広告などに使った必要経費は、当然、売り上げの中から出すことになるでしょう。
売り上げとは、塗装工事で言うならば、工事を請け負ったお客さんからもらうお金です。

つまり、工事費用がそれ相応の費用だったとしても、そこから広告費用などの中間マージンを差し引く必要がありますから、当然実際の工事にかけられる費用は、必然的に少なくなりますよね。それが中間マージンの意味です。

なるほど~。では、規模が大きくて、いっぱい広告を出しているような企業であればあるほど、中間マージンというものがかさんできてしまうってことですね?

そうなんです。
つまり、工事にかけられる費用が少なくなる分、少ない費用、短い工期で塗装工事を行わなくてはならないのです。

しかし、そういう塗装業者が、初めから手抜き工事をしようと思っているわけではないことも確かです。ただ、本来、良い工事をしようと理想を高く掲げていても、この中間マージンを差し引くようなシステムそのものが、実際の塗装工事に対して無理を生じさせてしまっているのです。これが、「営業をする業者」の問題の一つであると言えるのではないでしょうか。

手抜き工事ではない、「良い工事」をするためには、現場工事に必要なだけのコストと十分な工事期間が必要になってくるのです

工期でわかる工事の品質

塗装会社さんには色々事情があるようですが、やっぱり塗装にかける工事費用は安く済ませたいですし、手抜き工事は避けたいです


家の外壁塗装工事の費用のほとんどは、人件費。

では、優良な塗装会社を選ぶ判断基準をお教えしましょう。

まず、何度もお伝えしていますように、塗装工事を頼みたい会社の代表者が、自ら現場で工事をする職人で、一級塗装技能士の資格を持っているか。これが優良工事をしてもらえる可能性の高い塗装会社の一つの判断基準です。

その塗装会社の事務所内に、工事に必要な塗料や塗装の道具などがあるかどうかも見極めのポイントです。

もし工事をする会社であれば、短い工事日数で、予算も極端に少ない中で工事を行わなくてはならない、ということはないと思います。

「なるほど。だいたい普通の塗装工事だとどれくらいの日数がかかるのでしょうか?

一般的な家の大きさで言うと、外壁と屋根では作業実数で、最低10日はかかります。
一週間で完了する工事も中にはあるようですが、きちんとした内容の工事をするためには、明らかに工事の期間が短すぎると言えますね。

なぜ塗装会社さんは、そんなに工事の期間を短くしたがるのでしょうか?

家の外壁塗装工事の費用のほとんどは、人件費です。
この人件費を安くすれば、コストが安く上がるのです。
要するに、早めの作業日数で切り上げて、少ない人数で仕上げてしまえば会社はもうかるというわけです。

しかし、一般の家の大きさでは、1週間程度の工期では念入りな仕事はできません。
吉田さんは、工事のためにまずは家の周りを足場で囲むと聞くと、少々うっとおしいと感じてしまいませんか?

確かに、感じてしまうと思います。いつもの生活より少し慌ただしく感じてしまうかもしれません。早く工事を終わらせてほしいというのはありますね。

はい。ただ、もし吉田さんの家が通常一般の家の大きさで、外壁と屋根の塗装を、足場造りから実際の塗装作業までのすべての作業を、1週間で終える工事になるとしたら、その作業内容を疑わないといけないですよ。

そうですねえ。短すぎますもんね。

外壁と屋根塗装もある場合には、休まず毎日作業しても、足場造りからすべて入れても、全部で10日はかかります。
大まかな目安を言うと、塗料の数は、外壁と屋根の両方で10缶以上、吸い込みやでこぼこ模様の激しい壁の場合は、多い時で20缶の塗料は使います。

工事期間が極端に短すぎたり、塗料の缶が少なすぎたりすれば、疑うべきですね。

そうですね。
また、安く済ませたいからといって甘い文句に乗ってしまうと、損してしまう可能性もあります。

そうなんですか。実際はどんなことがあるのでしょうか?

例えば、「モデルとして塗装をしてくれれば安くなる」とか、「近所だから足場代が無料になる」などです。これは大抵の場合、お客さんの隙をついて契約させる巧妙なテクニックです。また、そのような話を持ちかけてくる業者は、悪徳業者である可能性も高いので、気を付けなくてはなりません。

それは、こわいですね・・・。安いという話に安易にのらないようにします!

的外れの業者選びにならないために

これからインターネットで外壁塗装をお願いする塗装会社を見つけようと思います。夫がインターネットのサイトで、「塗装業者の見積もり比較サイト」というのを見つけてきたのですがそれに頼って大丈夫かしら?


工事をする業者さんは、インターネットでは見つけにくい。

そうですね、決して悪いとは言い切れませんが、これまで私がお話してきました、「工事をする会社」には、その方法ではなかなか出会えないでしょう。

えっ!なんででしょうか?なんとかその「工事をする会社」さんに出会えないかと思い、夫が見つけてきたサイトなのですが・・・。

吉田さん、実はそれは全くの的外れなんですよ。
インターネットの見積もりサイトに登録しているのは、ほとんどリフォーム屋さんか、資格を持たない塗装職人とは無関係の工事屋さんであることが多いようです。

もしくは営業メインの塗装業者さんですね。彼らは綺麗で見やすいインターネットのサイトをこしらえてうまく会社をアピールしています。

一方、工事をする職人経営の塗装業者さんたちは、そのような見積もりサイトにはほとんど登場してきません。

彼らは様々な営業の謡い文句を言い、お客さんを集めるようなタイプではないからです。どちらかと言えば口下手で、一日中塗装工事に明け暮れているような職人さんたちばかりです。

確かに、職人さんたちが綺麗なホームページを作れるとは思えないですね

そうなんです。職人肌であると、そういう、自己アピールのようなものはなかなか難しいようですね。
それだけ、工事をする業者はインターネット上には少ないと言えるでしょう。

そうなんですかあ・・・。それならば、工事をする業者さんは、インターネットでは見つけにくいということですね。

残念ながら、今のところそうなりますね。

優良工事の目安は最低一週間以上!

夏休みに家族で1週間ほど、うちの夫の実家に里帰りするので、その間に外壁塗装工事をお願いしたいのですが、なるべくその家を空けている間に工事を終わらせてもらうことはできるでしょうか。


一般的な大きさの家で言うと、外壁と屋根で最低10日はかかります。

吉田さん、その一週間という工事日数、危険ですよ。

えっ、なぜですか?!

一般的な家の大きさからすると、外壁と屋根では作業実数で最低10日はかかります。もし見積もりを出された際に、工事日数が一週間となっていた場合には、予算に合わせて工事の質が下がっていないかということや、必要な工事がきちんと行われるかどうかなどを確認しましょう。きちんとした内容の工事をするためには、明らかに工期不足と言えるからです。

工事日数がそのように少ないのはなぜなのでしょうか?

それには、色々な理由がありますが、まず、工事に入る職人の数が少ないということが挙げられるでしょう。なるべく少ない人数で工事が行えれば、それだけコスト削減になるからです。

また、傷みがひどく、大工に工事を依頼して、木部の補修やサイディングの目地の交換などの打ち直しなどを行うとなると、当然その分だけ日数がプラスされて長くなります。そうなると到底、一週間では工事はむずかしくなるでしょう。

それでも工事の日数を減らすのは、予算の都合上であったり、営業する会社から請け負った仕事であるがゆえに、そもそも日数調整ができないという事情など、様々でしょう。

そうなんですか。では、壁の傷みも直してほしいので、一週間以上の工事日数でやってくれるところに限定して探そうと思います

そのほうが賢いと言えるでしょう。
もちろん、短期間で人件費をかけない塗装でも、仕上がりや見た目はきれいになります。ただ、それが盲点なんです。問題は数年後に塗装した壁に確実に表れてきます。

その場ではきれいに仕上がるので、数年後には悪い状態になると最初から分かっていて、手を抜いて工事をやり逃げするような、最悪な悪徳業者も中にはあるようです。十分気を付けましょう。

きれいで詳しい見積書で後悔しないために


見積書に力を注ぐ会社が多くなった。

ちょっと待って下さい。
見積書が詳細できれいな業者は、工事をする業者ではない可能性が高いです。

えっ、なぜですか?見積書がきれいということは、やる気が感じられて、工事もちゃんとやってくれそうな気がしますが・・・

それがそうもうまくいかないんです。考えても見て下さい。実際、毎日毎日塗装工事に明け暮れている塗装工事に長けた職人が、パソコンを巧みに使って画像を加工したり、きれいな見栄えの良い見積書を作ることができると思いますか?

う~ん、確かに、想像つかないですね・・・

今は家の図面を書いたり、傷んでいる個所を詳細に写真にしたりする、見積書というより、きれいで見栄えがいい「見積もりパンフレット」が多いですね。
工事の契約をできるだけ多く取るために、お客さんが工事前に納得するような、きれいで詳しい見積書に力を注ぐ会社が多くなりました。

ただ、どんなに詳しくて、きれいで、手の込んでいる見積書であっても、それと工事内容は比例するとは限らないんです。

説明の品質と、工事の品質は違うということなんです。
「そうなんですね。いくら見積書がきれいでも、良い塗装工事が行えるというわけではないのですね。」

資格業者が教える見積もり比較ポイント

塗装会社さんを色々めぐって、一通り見積りを出してもらいました。ここから何をどう比較すればいいですか?


見積書での比較は、なかなかにむずかしい。

そうですね、実はその見積りの比較、検討がとても大事になります。
しかし、なかなか素人では、その見積り、および見積書の比較はむずかしいんです。
なぜなら、家の塗装の見積もりには決まった形式、決まった計算方法はないからです。

実際、複数社の見積書を見てみると、使用する塗料や面積の算出方法、単価の算出方法が違うことに気付くでしょう。
たとえばある業者が、塗装する面積を「何平米」と細かく算出していても、他の業者は「一式」と記載されていることがあります。これでは、比較ができませんね

本当ですね!私が出してもらった見積書も、「何平米」と書かれているのとそうでないのとがあります

では、ここで見積書の中で注目すべきポイントをお教えしましょう。

(1)塗料の缶数が明記されているか

塗料は面積に対して、塗る量がある程度定められています。
塗料の数量が少なければ、塗装の厚みも少なくなり、結果的に長持ちしません。
外壁の傷みなどの状態も把握して、できるだけ正確に算出された「塗料の数量」を確認することが重要です。

(2)塗り分けされているか

塗装する壁面の外装材の素材ごとに、使用する塗料の名前、種類が明記されているか。
基本的に外壁と木部、鉄部の塗料はそれぞれ異なります。
耐久性を確保するために、外壁は外壁用塗料、木部は木部用の塗料というように、家の外装材の素材ごとに専用の塗料で塗装が行われるかを確認します。

(3)重ね塗りをするということが明記されているか

家の外壁の塗り替えの場合、たいていは3回塗りがほとんどです。
木部、鉄部であっても、基本は3回塗装です。
傷みによって、2回塗り、4回塗りとなることもありますが、基本は3回塗りと覚えておきましょう。
この重ね塗りを3回行うと明記されていることを確認します。

(4)下地調整作業を行うことが明記されているか

外壁の下地調整は「高圧洗浄」で、木部・鉄部の下地調整は主に研磨作業になります。
それぞれをきちんと行うことが明記されているかを確認します。

(5)ヒビなどの下地処理が明記されているか

外装材がサイディングの場合、目地のシーリングの交換工事が入っているか、モルタルのヒビ(クラック)が発生していたら、埋めるなどの処置をしてからの塗装になっているかなどを確認します。

これらのことを一通りチェックしましょう。

分かりました、一つ一つチェックしてみます!