塗装工事の保証
保証はどこまでしてくれるの?
業者選びの際、保証はもっとも気になる要素のうちの一つです。
塗装工事の保証とは業者側に作業のミスが認められた場合に、塗装をし直してくれるというものです。
基本的には、塗装のはがれ、はげ、膨れ、さびなどです。
注意しなければならないのは、たとえ保証がついていたとしても、適用されない、連絡しても対応してくれないなどの場合があるため、不安がある場合には保証が付いているのかついていないのかというよりも、その内容にについて良く聞いておくことです。
現在はどの業者さんでも保証を付けてくれていることが多いですが、数年後でしか工事の質が確認できない塗装の場合、業者が15年の保証とうたえば、契約をとるために、もう一方の業者は20年と言わざるを得ない状況にもなっているため、ただ年数が多ければ良いというような保証には慎重になりましょう。
一般的な保証年数とは?
5年、10年、15年と保証年数は業者によってとても様々です。
保証書を発行しない業者もいますが、中には保証書うんぬんよりも、作業のミスで不都合が起きたなら、そもそも直しに行くのが当たり前という考えで発行しない業者も存在します。
そのような業者は、わざわざ自分から保証についてアピールをしない場合がほとんどです。
半面正直に仕事しているという証明のように思えますが、保証に重きを置いて業者選びをしている人からは、とても見つけにくい業者ということも言えます。
その場合の年数はあいまいですが、常識の範囲内としか表現できません。
保証書を発行する業者の場合一般的には、外壁は10年、木部・鉄部は1年としているところが多いようです。
ちなみに外壁より、木部、鉄部、屋根などに注目します。外壁より劣化が早い場所だからです。
年数だけにとらわれない
近所の家を見渡しても、外壁から塗装がはがれる例はまれです。
新築から10年、15年経過しても、鉄部や木部に塗装のはがれがあっても、外壁からのはがれを確認することはまずありません。
見方によっては、専門知識のない素人に向けられて設定された保証内容ということもあるため、年数だけにとらわれないことも重要です。
保証対象外のケースも
物理的にはがれた、さびが出たなど、はっきりと見て判断できる以外の状況で、たとえば色あせてきた、つやがなくなってきたなどは保証対象外となることもあります。
これも常識の範囲内となりますが、明らかに作業の落ち度のため塗装して間もなくそのような状況になった場合は、よほど悪質でない場合は保証してくれるはずです。
厄介なのは、もともとの下地に起因する場合です。
当たり前のことですが、塗り替えの場合は今ある塗装の上から新たに塗装をします。
問題なのはその新たに施した塗装は問題ないけれども、その下の塗装の層からはがれてきた場合です。
それは新築から2回目の塗装工事、3回目の塗装工事と増えるにつれて、顕著になる場合もあります。
層が重なってくなると塗装膜自体の重みが加わって、塗装当時に比べて密着力も弱くなってきます。
新たに施した塗装がはがれてきた場合は保証対象なのは言うまでもありませんが、その下の層の場合になると話が違ってきます。
密着力が低下して弱くなった塗装は下地調整などで除去するのですが、それも除去できるほど弱い場合です。
下地調整をして問題がなかった場所でも、後からはがれてくる例もあるため一概に業者の責任とはいえない例もあります。
また汚れてきた場合なども主観的な要素が大きく関わるので、保証の対象とはならないのが一般的です。地震と保証の関係
地震の場合はクラックとの影響があります。
東日本大震災のような大地震などは別になると思いますが、地震でクラックなどが生じた場合は、もともとクラックがあった場所に対してのみの保証となる場合が多いようです。
要は今までなかった場所に対する保証は期待できませんが、補修した場所に限っては保証対象になる可能性があります。保証書の強制力は?
電話したがつながらない、会社がなくなっていた、担当者が辞めたなどの理由で、泣き寝入りしなければならない場合もあります。
保証書とはあくまでも業者自身が独自に設定してプリントしただけのものなので、強制力はありません。
防水メーカーなどは保証を出す場合もありますが、塗料メーカーが工事に対して保証書を発行するということはほぼなく、施工した業者に代わって保証をすることはありません。
塗料は「半製品」と言われます。
塗料は職人の作業状況によって大きく塗料性能が変わるという理由や、瑕疵の原因を特定するのが困難のため、不確定要素が強いまま保証を認めてしまえば全国の塗装業者に保証の可能性を認めてしまうからとも考えられています。