屋根塗装について

> > 屋根塗装について

屋根塗装

外壁塗装と合わせて行うことが多い屋根塗装。屋根は外壁と比べて、雨も激しく当たり一日中強い紫外線や熱い太陽光線を浴びているとても過酷な場所です。

外壁塗装の場合、塗装のはがれのトラブルは少ないといえますが、屋根ではあり得ることです。施工は外壁よりさらに慎重におこなってもらう必要があります。

スレートコロニアル(カラーベスト)の行程と注意点

1.高圧洗浄

丁寧に高圧洗浄をします。 屋根塗装のトラブルは少なくないため、後々のトラブルを避けるためにも高圧洗浄は屋根塗装の中でも一番重要になってきます。

屋根は紫外線、直射日光、太陽熱の影響を著しく受けるため、塗装をしても外壁よりハガレによるトラブルが多くなります。

もしはがれてしまうなどのトラブルになってしまって仕方なく再塗装する場合は、そのハガレの塗膜の除去作業が塗装費用よりプラスされてしまうことになる可能性があります。 それを避ける意味でも屋根塗装の場合は特に高圧洗浄は重要になるので、くれぐれも念入りに行ってもらいましょう。

また職人の落下防止と隣近所への水霧や塗料などの飛散防止のためにも、足場とメッシュシートのネット張りは不可欠になります。

ついでに雨樋の掃除をサービスしてくれる業者もあります。 屋根のこう配が急斜面の場合は、「屋根足場」を組むこともあります。

2.塗装作業

高圧洗浄でカビやコケがとれてきれいな状態になったら、塗装のハガレを防止する接着塗料の屋根シーラーという塗料を下塗りします。

シーラーをたっぷりと屋根材に吸収してもらうことがトラブルをなくすためにも肝心になってきます。 その後中塗り、上塗りと3回塗りが多くの屋根塗料の標準仕様です。 ちなみに最近需要の多い断熱塗装や太陽光線を跳ね返す遮熱塗料の場合は、4回や5回塗りの場合もあります。
※断熱塗装は塗装断面に「空中ビーズ」と呼ばれる気泡などが入って外気温を遮断するものですが、遮熱塗装は熱源になる太陽光を反射させる塗料です。

またスレート屋根には、棟板金や唐草水切りにトタン(鉄部)が使われています。 トタン部分にはスレート部分とは違うさび止め塗料を下塗りに塗ります。

3.縁切り

必要に応じて、縁切り作業を行います。縁切りは雨漏りや屋根材の裏の湿気を逃がすための作業です。雨漏りの原因は、毛細管現象という屋根の傾斜に逆らってスレートの上下の重なり部から、雨水が上って発生するものと、スレート同士の目地の隙間から入って発生するものがあると考えられています。

いずれも水抜きカッターやへらのようなカワスキなどの道具で、塗装によって埋まってしまった重なり部に切れ目を入れて、水を逃がしてあげるのが縁切り作業です。

ただし縁切りが必要になるのは、塗膜によって重なり部が埋まってしまう場合です。2回目、3回目と塗装の層が厚くなるにつれて縁切りの必要性も増してきますが、はじめて屋根塗装をする場合は、重なり部が埋まることが多くないため必要のないことが多いです。

また縁切りのために差し込む材料も発売されていますが、屋根材がひび割れる危険性が高くなります。特に次回の塗り替え時の際、職人の歩行によってさらにひび割れる可能性が高くなるため、屋根の状況によって使い分けてもらうようにします。

コロニアル(スレート)屋根塗装の必要性

一部には、コロニアル屋根は塗装する必要がないといわれることがあります。 塗装をしなくてもただちに雨漏りしたりするような可能性は少ないと言えます。

さらに築10年ともなるとトタンを止めている棟板金の釘が必ず抜け掛かってるので、台風などで飛んでしまわないようするためと、雨が入ってしまうと下地の腐食の原因にもなるため釘の打ち直しも必要になります。

家の生涯を考えると必ず屋根のメンテナンスは必要になるので、コスト的に考えても外壁塗装で足場を組むついでに屋根塗装を検討したほうが無難かもしれません。

トタン屋根の行程と注意点

1.下地調整

塗料を密着させるために、サンドペーパーやマジックロンという、研磨専用の道具を使って屋根全体を研磨する作業が一般的です。

屋根は汚れやほこりがこびりついているため、状況が可能ならば高圧洗浄をしてもらったほうがいい場合もあります。トタンには波トタンと瓦棒という桟葺きのトタン屋根がありますが、瓦棒トタンの場合は釘が抜けかかっている場合があるので、釘を打ち込んでもらうようにします。

2.塗装作業

トタンは鉄なので、下塗りにさび止め塗料を塗ります。 一部亜鉛メッキ加工されたカラートタンの場合は、通常のトタンよりさびにくいものの、一旦塗装がはがれてしまうと、再塗装をしてもまた剥がれのトラブルを繰り返すことが少なくありません。

これは作業性の理由よりも、素材と塗装の相性からくることも少なくありません。 太陽熱によってトタンが膨張し、塗膜がはがれているとも言われています。

はがれの対策としては、亜鉛素地を念入りに研磨した後、さび止め塗料より、「ウォッシュプライマー」、「ミッチャクロン」というプライマーで下塗りをしてもらったほうがいい場合もあります。

トタンはスレート屋根より腐食しやすいため、塗装メンテナンスの周期を短くしたほうがいいでしょう。

特に屋根の先端部分(軒先)の唐草という部分は、雨どいが邪魔をし手が入りにくい都合上、作業も中途半端になりがちなことも少なくなく、トタン屋根の中でも一番腐りやすい場所になっています。

そのまま放置すると下地の広小舞という木部まで腐食してしまい、板金屋だけでなく大工も入らなければならなくなって工事費用がかさんでしまう可能性があります。 上からも下からも、確認しづらい場所なので、念入りに作業をしてもらいましょう。 穴があくほど腐食しまっている場合、葺き替えという方法や一部のみ張り替え等の交換も可能です。

また勾配がないため、スレート屋根と違って足場なしでの工事が可能な場合も多くありますが、職人の安全性についての問題が出てくるため事前に業者と確認しておきましょう。

屋根塗装時のついで工事

雨樋交換

雨樋が垂れ下がってしまった、丸樋からデザイン性と大量の雨水を処理できる角樋に交換したいなど、雨樋の交換を引き受けてくれることも多いです。

また「でんでん」とも言われる雨樋を支える支持金具ですが、通常は破風や外壁に刺さる形で固定されています。スチール製のものは錆が発生したり固定した根元からぐらついていたりしている場合は交換も可能で、ついでにスチール製のものに交換がおすすめです。

アンテナの撤去

屋根の上のアナログアンテナの撤去を考えている場合は、塗装業者がもしかしたらついでに行ってくれる場合もあるので相談してみる価値はあるかもしれません。 その場合はアナログと地デジアンテナが一緒になっていることもあるため、慎重に行ってもらいましょう。

ただし当然ながら交換作業は電気屋さんの工事になります。

雪止め取り付け

今まで屋根から落ちなかった雪も塗装されて表面がツルツルになると、積もった雪が勢いよく滑り落ちるようにもなります。 場合によっては雪止めの取り付けの検討が必要になる場合もあります。

落ち葉よけネットの取り付け

雨樋に枯葉などが詰まって雨水があふれ出したり流れが悪くなる場合がる場合は、落ち葉よけネットを取り付ける方法もあります。