塗装指導員について
建築塗装において、「塗装技能士」が一番意味を持つ資格であり、「一級塗装技能士」が塗装技能士資格の最上位になります。
その一級塗装技能士よりもさらに上の資格という意味を持つのが「塗装指導員」です。
この塗装指導員というものは、塗装技能士のような資格ではなく、
職業訓練指導員の塗装科の試験に合格することにより、各都道府県より交付される免許になります。
塗装指導員というものは、その免許の取得者の総称になります。
なぜ、この免許が一級塗装技能士よりも上の資格に値するのかというのは、
この塗装指導員の受験資格の条件にあります。
塗装指導員
各都道府県より交付される免許。
15年の実務経験、もしくは一級塗装技能士の資格を持っていると、試験を受けることができる。
※職業訓練指導員の試験は、年に1回行われています。
※試験の詳しい日程は、各都道府県により異なりますので、各都道府県庁のホームページをご覧ください。
このように、塗装指導員の試験を受けるには、一級塗装技能士の資格がほぼ必要不可欠になります。
一級塗装技能士の資格がなくても受けることは可能ですが、それでも15年の実務経験が最低でも必要になります。
早ければ、7年の実務経験で一級塗装技能士は合格することができますので、塗装指導員の免許を持っている職人は、ほぼ間違いなく一級塗装技能士の資格を持っていると考えて間違いありません。
塗装指導員の免許が持つ意味
塗装技能士は、高度な技術を仕事に活かすための資格です。
一方、職業訓練指導員は、資格というより技術を教えるための免許になります。
職業訓練校で技能士などを育成するために必要な免許ともいえます。
そんな、塗装の先生とも言える塗装指導員の免許ですが、塗装業は、資格や免許がなくても、仕事として工事を請け、作業をすることができるため、職人側としては、資格を取得する具体的なメリットはあまりありません。
それでも取得しようとする背景には会社の方針よりも、職人として認められたいなどの職人個人の仕事へのプライドがあります。
塗装指導員の場合、仕事に対して、より責任感を持ってあたるという使命的な背景から取得する職人が多いといわれています。
もちろん、外壁塗装工事を依頼する側からすれば、一級塗装技能士の技術を持ち合わせ、豊富な実務経験を持ち、さらには、仕事に対しての責任感も高いということは、業者選びの大きな判断材料になるでしょう。
一級塗装技能士と比べても、さらに保有者の数が少ないため、一般的には知られていることの方が少ない塗装指導員という言葉ですが、一級塗装技能士よりも上級の資格として、ぜひ覚えて頂けたらと思います。
さらに、塗装に関する資格は、様々なものがあります。
その資格がどういった意味を持つのかということを知ることで、質の良い業者選びの目安としてご参考ください。